さて、前回の続きです。
定期試験タブレット回答の合理的配慮の具体的な内容を詰めていく中で、大きな軸になった課題は「環境面」と「不正防止」の2つでした。
環境面はコースケ本人もですが、実施してくださる先生方の負担を最小限に出来る方法の模索も大事です。
不正防止は、万が一不正があってしまっては、今後タブレット回答の合理的配慮をやってもらえなくなるかもしれません。そのため先生よりも、親の私の方が色々な可能性を提示し、徹底して不正が出来ないようにしてもらいました。(コースケは悪知恵がとても働くのです…)
環境面の合理的配慮決定事項
タブレット回答の実施科目は国語(漢字の書き取りを除く)と英語のみ。
学校からは全科目タブレット回答が良いのでは?と聞かれましたがそれはコースケが拒否。
とにかく文字数が多いものだけで良いとのことでした。
特に学校からは「社会科はタブレット回答じゃなくても良いのか?」という話も出ましたが、それに対してコースケは
という返事。
また、当初英語は「タブレットだろうが出来ないものは出来ない」と本人の希望には入っていなかったのですが、数名の経験者から「英語こそ絶対にやった方が良い」というアドバイスを受け、本人も聞き入れることになりました。
時間延長5分
大人全員コースケのタイピングスキルが未知数だったことや不測の事態がありうるため時間は延長した方がいいだろう、との学校の判断です。
また、
とされました。
(実際には、当日は試験監督のほかに技術の先生が常駐してくれたらしい)
別室受験、かつ席は一番後ろ
時間延長が入る流れでほかの試験の時間もずれてしまうことから別室受験になりました。
また、別室にはほかの事情アリの子もいるのでタブレットを使っていると気になる子がいるといけないということで、一番後ろの席でひっそりと受けることになりました。
学校配布のタブレットを使用、ロイロノートで回収
試験に使うタブレットは、もちろん学校から支給されたもので、解答用紙のデータのやり取りは「ロイロノート」というアプリ上で行うことになりました。
ロイロノートは、普段学校で生徒と先生が提出物や連絡用に使っているアプリで、私は全く使い方は分かりませんが、私以外が分かるなら問題なし。
提出物の回収機能があるらしく、それを使って解答用紙を回収するとのことでした。
不正防止策
自動変換、スペルチェック機能の停止
これはもう説明するまでもなく当然ですね。自動変換もスペルチェック機能も停止で漢字変換やスペルは自力で入力です。
国語は漢字の書き取りのみ紙、その後タブレットと交換
国語の試験は、漢字の書き取りのみ手書きで、漢字を書き終わったらタブレットと紙の解答用紙を交換、という形になりました。
漢字を書く時にタブレットが横にあると検索出来てしまいますもんね。当然の措置かなと思います。
また、優しい国語の先生の配慮で、手書き用の解答用紙は拡大版が渡されたそうです。(頼んでないのに先生ありがとうございます。)
試験終了後は画像化した解答用紙をロイロノートで提出
これは、試験終了と同時に本人の不正だけではなく、先生の誤作動で回答用紙に変更が加わることを防ぐためにどうすればよいか?という主旨で話し合いました。
私からは画面のスクリーンショットを撮ることを提案したのですが、先生から採点する側としては、スクショの画素数では正直不安が残る、というお返事が。。。
結果、ロイロノートに「ファイルを画像化する」機能があるということで、それを使って画像化(ファイル形式は誰にも分からず。笑)し、提出箱に入れて提出。コースケ曰く、当日は念のために元のファイルも一緒に提出箱に入れるように言われたそうです。
モニターをもう一台つなぎ、試験監督が同時に画面を監視
このモニターをもう一台つなぐ、という話を聞いた時には驚きとともにちょっと私、感動しました。
一番後ろの席でコースケのタブレットにケーブルでモニターを接続、モニターはコースケの背後に試験監督だけが見える角度で設置、常時手元をチェックします。と…。これは、
1週間前のシミュレーションで急遽変更になったもの
概ねの配慮内容が決まったのち、唯一強めに私が希望を出したのは、
ということです。何かあったら本当に取り返しがつかない。
ちなみに、このシミュレーションをやったのは本当に大正解で、これを実施したことで修正変更になったことが3つありました。
当日の打ち込みに使うアプリは「ロイロノート」に
解答用紙の回収は、最初からロイロノートの予定でしたが、解答用紙の打ち込みは当初はAppleのGood Notesを使用する予定でした。
しかし、このシミュレーションでGood Notesが縦書きに対応していないことが判明。
これでは国語の解答用紙に対応できないということで、急遽解答用紙の打ち込みにもロイロノートを使うことになりました。
解答用紙は紙を当日スキャンではなく、事前にPDF化したものを配布
何回目かの打ち合わせで、先生から「配られた解答用紙を撮る時間とか~…」という話が出たことがあり、私は(え?撮る?いやいやそんな非効率な…)とすかさず「それはあらかじめPDFにしたものをもらうことは出来ませんか?」とやんわりお伝えはしていたのですが、
このシミュレーションの時までには私の提案は通っていなかったようで、一旦解答用紙を配ってMicrosoft officeのLensで撮影が行われた模様…。
が、しかし、やはりそれをスムーズに読み込み、入力できる状態にするまでをコースケ本人にゆだねると手間と時間がかかりすぎるため、PDFで配布しよう、ということになったそうです。良かったです。
PDF化した解答用紙の解答欄上に予めテキストボックスを配置
上記の流れで、読み込んだ画像に、ひとつひとつテキストボックスを作って入力していると、とんでもない時間がかかることが判明…。
そのため、先生方があらかじめ解答用紙のデータの解答欄の上にテキストボックスを配置してくれることになりました。
また、この話が出る前は記号など手書きの方が早そうなものは、ApplePencilで手書き入力もOKのハイブリッド方式が決まっていたのですが、テキストボックスが配置されているなら入力の方が早いだろうということで、ApplePencil併用の話は無くなりました。
また、この解答用紙のPDF化とテキストボックスの配置で、先生方全員で分担作業が発生したらしく、その際もロイロノートを使うのが先生たちにとって効率が良いとお話があったので、
急遽全部ロイロノートを使うことにはなりましたが、コースケの学校ではロイロノートを使ってのタブレット回答が先生にも本人にもスムーズで正解だったようです。
前日にキーボード持込交渉
そして、シミュレーションを終えてこれで合理的配慮の内容が決定、先生からも「タブレット回答以前にちゃんと勉強してくるんだぞ」と言われ、あとは勉強を頑張るのみ!となった週末、コースケがふいにつぶやきました。
……は?(# ゚Д゚)
もう。ね。イラつきMaxなんてもんじゃないんですよ、、、
でも、ここまで来て「キーボードが打ちにくかったからできなかった」とか言われたら、それで点を取れなかったと言い訳されたら…
私、ほんとに、、この子を殴りそう・・・・・・・・・。
本人の努力不足以外の要因をゼロにするため、
絶対に言い訳の余地をなくすため、
急遽、静音キーボードとlightning Hub(HDMIもつなげる)を家庭で準備して、持込交渉。
しかも自分で先生に話せと言ったのに、なにも言わずに帰宅(# ゚Д゚)
前日の夕方に、私が、
「大変申し訳ございません‥‥前日で、急すぎて、何言ってんのと思われてるのも分かっているのですが、ダメ元で、、」と恥を忍んで頭を下げて、キーボードの持ち込みを許可してもらいました。
しかも大雨の中、動作確認をしてもらうために学校へ‥‥。
ムーカーツークー!!!!!
…というわけで前日までドタバタとイライラだったタブレット回答の合理的配慮の実現。
実際、試験を受けたコースケはどんな感想を抱いたのか・・・?
3/3へ続く!(次で最後です。)