親なりの答えは「絵と一緒?」発達性ディスレクシアの見え方を考える

漢字が苦手なコースケは、文字の線の流れがわからないようです。

こんにちは。あさこです。大々的に「発達性ディスレクシア(読み書き障害)の見え方」と題しましたが、ご存知のようにコースケはあくまでもグレーゾーン児であり、診断はついていませんし、私自身も一般人なので医学的な根拠をもって書くわけでもありません。そのため、あくまでもこの記事は、「本人の努力不足だけでは説明がつかないくらい漢字苦手で覚えられない小学生の、一般人の母親が息子を見ていて“きっとこういう感じなのだろう”と考えた」もの、として読んでくださいね。正解かどうかはわかりませんが、この考えに辿り着いてから、コースケに共感できることが増えました。

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線の流れ、つながりをイメージ出来ない

前回のリタリコジュニア6ヶ月目で急成長!漢字の宿題をやるようになった!」の記事で、コースケの成長や変化に大喜びの私なのですが、リタリコジュニアに通うことで、継続しても克服できないかもしれない問題点がわかってくるのも事実です。先日、リタリコジュニアの先生から、コースケが「道」という字を書き写すことが出来ず、でも書けないと言いだすことも出来ず、見本の紙を横から見たり逆さまにしたりしていた、というお話がありました。そして「本当に文字を認識するのが苦手なんだなと思いました。」とのご連絡が。

さらに、先日家でも、書く時には「雪は雨ヨ」といつも言っているにも関わらず、雪の絵が描かれている「冬」という字の漢字カードを見て「ゆき」と読んでいたことで、私も「やはり字としてとらえているのではなく、イメージで覚えているんだな…」と感じたのでした。

文字を認識出来ないとは…?

一概に「文字を認識して書く」と言っても、それには「視覚(インプット)」「脳(認知)」「手先(アウトプット)」などの段階があるようで、これらがすべて正常に作用して初めて「文字を書き写す」ということが出来るのだそうです。だから、逆にそのどれか一つにでも異常があると「文字を書く」ということは途端に難しくなるのですね。

私は、コースケがあまりに漢字を書き写せないのを見ながら、まず「どういう見え方をしているんだろう」と考え始めました。

ネットで「ディスレクシア 見え方」と検索するとよく出てくるのは、「文字が躍っているように見える」「ぼやける」「図形に見える」などですよね。文字列が螺旋のようにゆがんでいる画像などもよく見かけます。実際に小学1年生の時に、コースケが音読をあまりにも嫌がるので理由を聞くと

「だって、文字がぐにゃぐにゃ動いて気持ち悪いんだもん」

と、言われたことがありました。(やっぱそうなの?と思いました。)でも、それは時間が経つと無くなったようですし、彼の頭の中をスクリーンに映し出せるわけもなく、しかも彼にはそれが日常なわけですから、素人の私がどの段階に異常があるのかの結論を出すのは難しい…というか、無理なのです。その代わり、と言ってはなんですが「文字をどのように捉えているのか」と考えた時に、字を書いているコースケを見ながら気になったのが「なぜそこがつながる?」「なぜそこが離れる?」「なぜそっちから書く?」という文字が完成するまでの工程なのですね。

どこまでが1本の線なのかわからない

こういう話をしていた時に、小学校の先生をしている知り合いが教えてくれたことがあります。

例えば「鳥」という文字を書くとして、漢字を書くのが苦手な子は2画目の縦線がどこまでつながっているのかがわからず、先に“白”を完成させてしまったりするんです。で、次に横線を引こうとしたら、そこに棒が無くて書き足す…。でも、漢字的にはそこはつながった1本の線じゃないと正解じゃないからテストでは×になる。

これは、コースケにも本当によくあることで、「食」も中は一度「白」を書いてその下に「レ」を足してしまうし、「里」は「田」と「土」」に分けてしまいます。あとは例えば「田」の2画目は「¬」、と1画なのですが、その角の部分がつながっているのか離れているのかがわからないんですね。「門」は、7画目がよく離れているのでテストでは×に…。あと、鉛筆なので今のところバレていませんが「さんずい」の3画目をコースケは上から下に「はらい」で書いています。私としては3年目にもなるとこういう事象にだいぶ慣れてはきたのですが、

問題はコースケ本人が…

「なぜ、これで×になるのかわからない=出来上がった形が一緒だし読めるんだから別にいーじゃん」

と、思っていることなんですねぇ。。。(以前はそれが原因でよく泣いていたりして。。。)

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私がたどり着いた見え方・捉え方への理解

漢字という名の一つの「絵」なのか…?

ここからは、そんなコースケを見ながらたどり着いた、コースケの見え方、文字の捉え方への私自身の考え方です。ので、医学的な根拠がない話だということを先にご了承くださいね。

私たちは、いつの間にか視界に入るものの中から文字を「文字」と認識して、そこに「音」を結びつけますよね。さらに、頭の中でその字を分解し、「へん」や「つくり」、成り立ちなどを知ると、その文字の意味を考えて覚えます。そして、ここまでくるとおそらくその字を間違えることは少なくなり、1本線が多かったり足りなかったりするだけで、それは別の文字=間違い、という意識になると思います。

でも、例えば誰でも知っているキャラクターの絵を見た時には、それはただの平面の絵で、キャラクターの名前は思いついても、そのキャラクターを描く線がどういう流れかなんて考えません。さらに、「描いてみて」と言われても、その描き上がりに髭が1本足りなかろうが、形が崩れていようが、それらしい雰囲気さえつかんで認識できる程度に描けていればOK。「なんとなくあのキャラクターを描いてることはわかるよね!」とむしろ堂々と人前に出せるのではないでしょうか。

私は、コースケにしてみれば、漢字もこのキャラクターの絵も同じ扱いなんじゃないかと考えるようになりました。「線が1本足りなくても、なんの字を書きたかったのか伝わるんだからそれでいーじゃん。しかも、一生懸命書いたのに違うだの間違えているだの言われてもうウンザリ…。」という感じ。

そして、そう思った時に、自分自身に置き換えてみたんです。たとえば、なにかシリーズ物のキャラクターが毎日どんどん増えて、その都度線の長さや向き、どこからどこまでがつながっていて、描き順はこうで、髭が1本足りないから最初から描き直し、なんて言われてしまったら、、、確かに苦痛で苦痛で仕方がないかもしれません…。しかも小さな正方形の中にバランスよく収めろ、とか‥‥。極端な話「○」でも、時計回りに書く人もいれば、反時計回りに書く人もいて、出来上がれば「○」は「○」ですもんね。そう思ってからは書き順を細かく言うのはやめてみました。

精神的には絵心が無い人が、毎日絵を描かされているようなもの?

作業としては絵を描くのと同じかもしれない…それでも、とても上手だったら問題ないのですが、残念ながらコースケの場合はそこに「下手」という現実が加わります。だから、精神的な負担も同じように絵が苦手な人に置き換えてみました。

絵が苦手な人っていますよね。ちょっとしたイラストを描いてほしい時に「誰か…」と声をかけたら「私無理です!絵心無いんで!!」と全力で拒否する人が必ずいますし、そう言われたら罰ゲームでもない限り、周囲もその人に絵を描かせようとはしません。しかも、もし無理やり描かせた場合、その人の絵について「汚い」「下手」「なにかわからない」なんてダメだしばかりしたら、本人は「だから絵心無いっていったじゃないか」と思うだけでなく、周囲から見ても、描かせてそんなコメントをした方が人でなし扱いですよね。(笑)

でも、もしかしたらコースケの漢字の日常は、それと同じなのかもしれません。

「書けない・書きたくない・嫌い」だと言っているのに、書かされて、ダメだしされて…。でも、言った人はそれが当然のような態度で、書かない自分が悪いような扱い……。想像するだけでやってられないですよね!(笑)

「図工が好き」と言われて、さらに納得

コースケに「好きな科目は?」と聞いた時、彼は迷わず「図工」と答えました。「なんで?」と聞くと、「合ってるとか間違ってるとかなくて、自分のやりたいようにして良いから。」と。その答えを聞いた時に、「書く」こと「描くこと」の境界線の曖昧さを感じ、少し接し方を考え直そうと思いました。もちろん、コースケはもう3年生になったので、頭では「書く」と「描く」の区別は出来ていると思います。でも、やっぱり普通なら最初から無意識に分けることが出来るはずなので、頭では受け入れつつも根本的な事をどのくらい納得しているかはわかりません。

というわけで、とても長くなってしまいましたが、コースケは作業的にも精神的にも漢字を絵のように捉えて「描いている」可能性が高く、しかも下手だから本人としては苦痛が伴う、という話でした。そのように捉えているんだから出来なくても良いという話ではありませんが、私は最初なによりも「文字を覚えること」「文字を書くこと」を苦痛に、泣きわめくコースケの気持ちが全く理解できませんでした。それはやはり「文字を書く」ことは特別扱いで「当然、誰でもできるはず」と思われているからです。でも描ける人と描けない人がいると分かっている「絵」に置き換えた時、コースケの気持ちに少し寄り添うことができました。だからもし、お子さんがコースケと同じように漢字が苦手で書くのを嫌がる、直すのを嫌がる、なんで線が一本足りないだけで不正解なの?と泣いていたら…良かったら参考にしてみてください。最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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