漢字が苦手なコースケの一年生、家庭内は灰色の歴史です。そして当然の流れとして私は学校に相談することにしました。前回に引き続き、コースケの小学1年生時の記録、家庭外の反応を思い出しながら書いていきます。
学校ではウソのように黙々と頑張っていた
先に家庭外での一年をまとめてしまいますと、小3の初め頃まで、家では毎日のように号泣、癇癪を起していたコースケですが、担任によると、1年の時も、2年の時も学校では
「字を書くことは苦手そうですが、学習意欲があり、とても前向きに頑張っている生徒」だそうです。
これを聞いて、私は目が点…つまり、学校で頑張っているストレスが家で爆発していたパターンだったのですが、この二面性が原因で、学校に相談した時に先生と私との間にはかなりの温度差が生まれました。
本人が頑張っていた、ということなのはわかっているのですが、癇癪、号泣するのが私の前でだけだったことで、コースケのことを相談しても誰にもわかってもらえず、それはそれで私にはツラい日々でした。
5月…家庭訪問
「指の分化は出来ていますか?」と聞かれる
さて、まず5月の家庭訪問です。担任に「就学前までに全く読み書きに興味がなく、習得できていない」事実を伝えます。すると「確かに書字がちょっと…」と言いながら「指の分化は出来ていますか?」と聞かれます。はて。指の分化?なにそれ、おいしーの?ってやつですね。
あとで調べたところによると、
だそうで、指の分化が出来ていないと、指先に上手く力が入らなくて鉛筆を上手く持てないのだとか。こーゆー動きとか、こーゆー動きとか、いくつか実際に見せられます。
でも「でき…ていると思いますけど…」と答えるのが精一杯でした。だって、気にしたことがないんだもの。
それから、コースケに鉛筆を正しく持たせることを意識しますが、それとは裏腹にどんどんおかしな持ち方になっていきました。
夏休み…とりあえず『公文式』に入会
入会前のテストで「この4ヶ月だけでこれだけ出来たら大丈夫」と言われる
そして、あっという間に1学期が終わり、読み書きもそうですが、やはり算数もどうなんだろう…と今さら不安に思い始めます。もしかしたら、やはりただの準備不足なのかも…と、なるととにかく量をこなさなければいけません。その頃ちょうど近所の公文式で夏の体験学習行われていたのでコースケを参加させます。(※ちなみに実は同時に「進研ゼミ」タブレット講座も始めたのですが、なんと字が汚すぎて不正解を連発し、本人が泣き出してさらに自信を失う、という不測の事態でソッコー解約しました。)
ここの公文の先生というのが、予備校の講師歴が長いなかなか大ベテランの先生で、本当に色んな子を見てきたようでした。そして、事前に「就学まで全く読み書きができなかった」旨を伝えたうえで、体験前のテストの出来を見て
「入学してからの4ヶ月でこのくらい出来たら大丈夫。これからきっと伸びますよ。」と言われます。
学級担任よりも明らかに経験豊富な先生にそう言われ、そっか、そうなのか。。と私は少し安心します。そして、今現在も同じ先生にお世話になっておりますが…算数がグーンと伸びたものの、国語はその一年後、「ツラすぎる…」と泣き落とし、解約しました。
12月…個人面談
そんなこんなで何も進展がなく、毎日毎日癇癪を起し、泣きわめくコースケに疲れ果てていた12月、学校の個人面談がありました。
「家庭が崩壊するので漢字の宿題を見るのは止めさせてほしい」と担任に頼む
コースケが通う小学校では、宿題の〇つけ、直しは親がすることになっています。これについて学校の言い分としては
②苦手なところなど親が知っていてほしい
③親がまるを付け、褒めてくれたことが、子供の精神面にプラスになる
というのですが、③はあくまでもつまづきが無く、素直に宿題をするお子さんのケースであって、それに当てはまらない場合は、子供の精神面にマイナスしかありません。と、まあ、我が家はレアなケースだとは思いますが、4月からこの制度、しくみのせいで私とコースケの信頼関係はなくなったようなものでした。これ以上続けるとお互い壊れる、と思った私は、、、
「これ以上漢字の宿題を私がみると、我が家は崩壊します。漢字の宿題を見るのは止めさせてください。」と担任に頼み込みます。
今思えば、ここで「…分かりました」と言ってくださった担任の先生は…良心的でした。
しぼり出した「先生、うちの子、普通ですか…?」
さらにこの時、私は初めて学校関係者に「うちの子、読み書き障害じゃないでしょうか…」と口に出しました。
今でもこの時のことはよく覚えているのですが、とても勇気がいりました。
・コースケ君、全然努力してないじゃないですかー、と鼻で笑われたらやだなーとか。。
・でも、コースケ、本人なりに頑張ってると思うんだけど。。とか。
そこで、恐る恐る「先生、うちの子…普通でしょうか?」と切り出すと「うーん。普通っていうのは?」と返されました。そこで、読み書きについて経験が不足していることは否めないけれど、書けない、読めない、に加えてあんなに毎日泣いて喚くっておかしくないですか…と。
さらにこの時の担任の先生は、前年盲学校の先生だったこともあり「視覚」について知識が豊富だったので、読み書き障害について何か知らないかと思ったのです。でも、返事は
「弱視や全盲で就学時に文字が書けない子にはもちろんあったことがあるけれど、読み書きだけ、っていうのは…会ったことがないです、すみません。」というものでした。そーですか。。。と肩を落とした時に、
「でもね、お母さん、盲学校の子達でも、漢字は書けるんです。だから字が書けないというのは目の問題だけじゃないんです」と、これまた新しい話を色々と聞けました。その後、自分でまた調べ、目の問題、手の問題、脳の問題、もしも本当に読み書き障害だったとして、色々な原因を知ることが出来ました。
ちなみにこの時の担任の先生は、保護者の間でとっても賛否のある先生で、コースケはとても苦手だったようですし、よそのクラスのお母さん方からも同情されることがありました。
ですが、私は、ひとまず
・これまでそういう子を受けもった経験が無い、知識もあまり無いことをその場で話してくれて、でも知っている範囲で色々と話してくれた。
・すぐにスクールカウンセラーにつないでくれた
これだけで十分、きちんと担任としての責務は果たしてくれたと思っています。
字が汚いと同級生にバカにされる
コースケが一番堪えたのはコレかもしれません。どういうわけか、いまだにどうして一年生でそんなことになるのだろう、と疑問なのですが、クラスのお友達から「きったねー字!」とノートをのぞき込まれてバカにされたことが何度かあるようです。これについては、それとなく個人面談で先生にお話したのですが、あまり真剣に心配はされませんでした。
このあと、コースケは文字を書く時に、自分が書いている文字を左手で隠しながら書くようになりました‥‥。
そして、あっという間に3月、WISK-IVを受けることを決めてスクールカウンセラー経由で学校に申し込みます。
2年生に続く。
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